YWAM's Covenantal Framework 約束の枠組み

Spiritual Legacy 3 The Spheres of Influence
~1975 霊的遺産 #3 {社会に影響を与える領域}

  • by David Joel Hamilton (from YWAM Together Workbook KC 2016)

ロッキー山脈での啓示

カニングハムがコロラド州のロッキー山脈で家族旅行を楽しんでいるとき、公園管理事務所に電話がかかってきた。CCCの創始者ビル・ブライト夫婦で、ローレンとダーリンと一緒に夕食をしたいということだった。ローレンはうれしく受け入れた。神様が新しく与えてくださった思いを分かち合えることを考えるとすごくうれしかった。どうすれば世界を弟子とすることができるか神様に求めていた。神様は信念、価値、文化、世界観を作っていく社会に影響を与える7つの領域についてちょうど気づかせてくださったからである。これは新しいことを突破する啓示だった。

「7つの領域に対する神の御国の原理を教えるだけで国や社会の領域に大きな変化が起こるだろう」

これがローレンに与えられた思いだった。

彼らが夕食会で出会ったとき、ローレンの上着のポケットには新しく授かった思いを書いた黄色いノートが入っていた。ビルと握手を交わした後、そのノートを取り出すためにポケットに手を入れていたが、ビルが興奮した声で言った。「ローレン、神様が見せてくださった素晴らしいことがあります。信じられないほど素晴らしいです。世界が変化するためには社会全般の7つの領域に影響を及ぼさなければならないということです。」最初はビルに先手を打たれた気持ちだったが、ローレンは神様が数日前に下さった啓示と同じ啓示を親しい同労者にも与えることで確認させてくださったことに大きく励まされた。

その日から一カ月も過ぎていない1975年の夏、ダーリンはラブリ共同体の創始者であるフランシス・シェーファーのラジオ講演を聞いていた。フランシスもまた、世界を変えるためには社会の7つの領域に聖書的真理を蒔き、影響力を与えなければと同じように話していた。神様はそれぞれのリーダーに同じ思いを与えておられたのである。大宣教命令を遂行するための重要な戦略に対してはっきりと語っておられた。

数年後、ハワード・マルムスタットとともに新しく授かったこのビジョンを基礎としたUofNを始めるようになった。これは宣教のための働き人を倍加させるためのキリスト教大学の新しいモデルである。デジタル技術を活用する国際的な学校で、200以上の国から集まった若者たちを訓練し準備させる場所である。生活の中で訓練する新たな教育パラダイムの目的が何であるのか。それは神の御国の原理原則を7つの社会領域に適用して世界を変化させることである!

社会に影響する7つの領域

組織的にうまく構成された小説は最後に行くほど、細かいパターンに沿ってだんだんミステリーが解かれていく。特に有能な探偵が、最後の証拠を提示するとき読者は驚く。しかし、しばらくした後、同じ小説を再び読んでみると以前とは違う観点から見ることができ、初めて読むときには不明確だった事件を理解することができる。これと同様なことが起こった。社会の7つの領域に対する理解をもって聖書を読んでみると、それぞれの領域に対する神様の思いを見つけることができる。このような枠組みを理解する前には、軽く読んでいた箇所が多くあった。しかし、御言葉の中に埋められたパターンを見つけ出し始めると、社会の各領域に具体的に適用すべき御言葉が溢れていた。これをもとに御言葉を研究していた学生たちは神様が人類の歴史の中で弟子養育をどれほど大事に思っていらっしゃるのかはっきりと気づかされた。

御言葉を読む間、7つの領域を弟子化することは次善の策として選択すべきことではないことが分かった。御言葉を読めば読むほど、神様の意図が明確に示された。神様は宗教的なことだけに関心を置くのではなく、社会全般に渡るあらゆることに関心を持っておられる。それにもかかわらず、神様は過去5年間「人々が社会の各領域について記録された部分を探しながら読むように助けなさい」と語られたが、私はまだ準備できていなかった。

私と信仰の旅程をともにする同労者たちの助けで見つけたのは、聖書の95%以上が社会の各領域に対する部分を扱っているという事実である。私たちが開発した聖書アプリからの統計を見ると驚くだろう。どのページも社会の各領域に対する情報がない部分を見つけるのが難しいほどである。社会の各全般にわたる領域に対する膨大な情報を聖書の中から見つけるとは想像できなかった。皆さんも聖書を読むとき、私と同じようにチャレンジさせられるでしょう。皆さんの手に持たされたものが刺激剤となり、皆さんが自ら研究する時大きく用いられるように。これから聖書を読むとき、聖霊の助けにより以前は見つけられなかった宝物を見つける祝福がありますように。

この世代のためのメッセージ

機が熟した。最近数年間これと関連した新しいテーマが追加されたりもした。ある人は7つの領域、ある人は8つ、あるいは12の領域に分けたりもするが基本精神は同じであった。神様はそれぞれ個人を創造なさったこと(創1:26)、彼らを愛されること、罪と壊れから贖いたい。また神様は、国々を建てられ(使17:26-27)、彼らを愛し、各国の社会全般において御国の精神による革新が起こるように願っておられる。皆さんはこれを「領域(sphere)」であったり、「マインドモルダー(mind molders)」、あるいは「山(mountain)」と呼んでいる。大事なのは、神様は各個人と社会全域の共同体二つをも愛され、関心を持っておられるということである。この同一の神様は旧約時代にも預言者を送り、個人(王、大将、やもめ)に語られ、共同体単位(種族、都市、国家)に向かっても語られた。神様は失われた魂だけでなく、道にさ迷う国に向かっても心を置き、私的な領域と公的な領域において神の御国の影響力をもって変化を追求する神様の働きに参加するように私たちを呼んでいる。

7つの社会の領域は最も原始的な種族から巨大な大都市に至るまでどの国でも存在する。家庭、経済、政府、宗教、教育、メディア、祭事(celebration)の領域がそれである。身体部位が集まって人間の肉体を成すように、7つの社会領域は社会を成す骨組みと同じである。これは神様が設計されたことで、私たちの体と同様7つの領域が健康で効率的機能を尽くす時、社会は生命力をもって活力をなす。神様がデザインなさったことであるため、各領域の目的を理解するための努力を献げることは人類にとって良いことである。

神の御国の境界の外で生きることは人間によくないだろう。私たちはコラムデオ、すなわち神の臨在のもとに生きていくために意図的に努力して実践しなければならない。これはイエス様が私たちの人生の各領域を治める主人だからである。個人の人生や共同体の運命も同じである。だから社会の全般的な領域において神様の臨在が現れるためにはどうすべきか、主が教えてくださるように私たちは祈る必要がある。このような新しい道具は私たちが神様の目的によってそれぞれの社会領域で影響力をもって真実な人生を生きるように助けるであろう。



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